『タコピーの原罪』全話感想|全6話で圧倒的満足感!魔法(物理)で敵をやっつけろ!?話題の鬱アニメ『タコピーの原罪』が神アニメである理由!!【ネタバレなし】
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出典:公式X
※本記事はネタバレなしでお届けしていますが、少しだけ序盤の内容に触れています。作品を完全に「真っさら」で楽しみたい方はご注意をください……!
【・3・】
「悪夢版ドラえもん」——そんな触れ込みで話題沸騰の鬱アニメ『タコピーの原罪』がついに放送開始された。
アニメ化前からTwitter(というかX、というかイーロンのおもちゃ)でもよく見かけたので、ご存じの方も多いと思う。
このアニメは作者の「陰湿なドラえもんをやりたいと思った」という思いから生まれた作品らしい。
えぇ……これドラえもんかなぁ……? ……
……
あと、残酷な描写が苦手な方はご注意を!!
今回はそんな倫理観ゆるふわアニメ『タコピーの原罪』をネタバレなしでレビューしていく(っピ!)。
目次
あらすじ
ハッピーを広めるために地球に降り立ったハッピー星人のタコピーは人間の女の子しずかと出会う。
ピンチを救ってもらったタコピーはしずかの笑顔を取り戻すため不思議な力を持つハッピー道具で奔走する。
しかし、しずかはおうちと学校で何か事情を抱えているようで…。これは、ぼくときみの最高にハッピーな物語———
(引用元:公式サイト)
ほーん、タコピー可愛いなぁ、どれどれ1話観てみるか……
……
……
はっ!!?!なにこれ!?(視聴継続確定)
登場キャラクター・声優
タコピー(CV.間宮くるみ)
倫理観ゆるキャラ。本名は「んうえいぬkf」。
ハッピー星出身の宇宙人で、ハッピーを広めるために地球に到来。
ハッピー道具(と呼ばれるドラえもんのひみつ道具風アイテム)を駆使して、しずかの「問題」を解決しようと模索するが、地球人の倫理観が理解できないため空回り、事態の泥沼化を招く。
だが、本人は至って真剣。タコピー頑張れ!
CVは間宮くるみさんが担当。「うーたん」や「ハム太郎」はあまりにも有名。
幼少期から聞き馴染みがあり過ぎるせいか、胡散臭いタコピーにすら親近感を覚える。この感じ、『ダンガンロンパ』のモノクマと同じだ……!
久世しずか(CV.上田麗奈)
小学4年生の女子児童。全身に痣があり極度の痩せ型。水商売を営む母と二人暮らし。
空腹のタコピーに食事を与えたことで友達(?)となる。
母と雲母坂まりなの父が関係を持っていることで恨みを買い、学校ではまりなからイジメを受けている。
ランドセルや教室の机がバキの家みたいに落書きされており、相当強烈ないじめを受けていることが伺える。
唯一の拠り所である飼い犬のチャッピーをまりなに奪われることがきっかけとなり……?
タコピー助けて!
(タコピーとかいう宇宙人を素直に受け入れたのって、既に心が壊れてたからなのか……?)
血は争えないのか、魅了の力で味方をどんどん増やしていく。
CVは上田麗奈さんが担当。癒し系からドSまで幅広く演じる超人気声優。
個人的には『閃光のハサウェイ』のギギ・アンダルシア役が印象的(ハサウェイ第2部公開決定、やったぜ!)。
雲母坂まりな(CV.小原好美)
しずかの同級生。前述の通り、父がしずかの母と関係を持ち家庭を顧みなくなったことで家庭環境が荒れていた。
そのためしずかに対して憎悪を抱きいじめを行う。
女子特有の精神攻撃中心かと思いきや、普通に顔も殴ったりしていて結構えげつない。
チャッピーを奪う狂気の作戦を実行したことが引き金となり、悲しい運命を辿ることに……。
CVは小原好美さんが担当。藤原書記、シャミ子、ロキシー等々、近年の人気作に出ずっぱりなこちらも超人気声優。
いじめっ子役なの珍しい気がする。あと、ブルアカプレイヤーならアロナボイスは毎日聴いてるよね(ほとんど合成音声だけど……)。
東直樹(CV.永瀬アンナ)
いじめを受けているしずかを気にかけているが、当のしずかからは相手にされていなかった。
教育ママである母親や、兄に対する劣等感からストレスを抱えている。
あと、やたらタコピーへの当たりが強い。まぁ、見た目ちょっとキモいからしゃーない……。
CVは永瀬アンナさんが担当。『サマータイムレンダ』の小舟潮役や『呪術廻戦』の天内理子役に抜擢された期待の新人声優。
『異世界スーサイドスクワット』のハーレイクインとかマジで上手かったよね。ショタボもこなすとか無敵か?
演出・作画・音楽
演出・作画
なんとこの制作会社、TVサイズの長尺アニメは今回が初めてらしい。
マジで?このクオリティで?
しかも、最終話までハイクオリティを保つ、どころかどんどん作画が良くなっていく剛腕っぷり。
これアニメーター2~3人〇んでるだろ……(褒め言葉)。
監督は『Dr.STONE』で監督を務めていた飯野慎也さんが担当。
派手なアクションがあるような作品ではないものの、原作通りの雰囲気とキャラデザのままグリグリ動いていてスゴイ。
鬱展開にも関わらずポップな演出も織り交ぜて、視聴者の気を滅入らせないような工夫が施されている。
正直、ジャンプ系とはいえ人を選ぶ内容なので、ここまでハイクオリティに仕上がるとは思ってなかった……。
いや本当、舐めててすみませんでした。
音楽
OPはanoさんが担当。
(OP映像はイメージなので誤解しないように……!)
すっかりアニソン歌手となっているあのちゃん。この前のチェンソーマンでも……え?チェンソーマンってもう3年前なの?
EDはTeleさんが担当。儚い雰囲気が本編と見事に調和していて、思わず引き込まれる。
最終話では特殊EDも……?。
特殊EDなんて全人類好きだからね(クソデカ主語)。
……
「ほらね……元通りだよ……。」
感想
タコピーとしずかの出会い
ハッピーを広めるため地球に降り立ったタコピーは、人間の女の子「しずか」にピンチを救われる。
タコピーはそのお礼に「ハッピー道具」で彼女のために奔走するのだが、しずかは興味がない様子。
そんな折、しずかはタコピーの渡したハッピー道具「仲直りリボン」を使い、首を括って自◯してしまう。
マジかよ、タコピーが掟破るから……。
能登怖いよ能登……。
自分が掟を破った結果しずかを失ったタコピーは「ハッピーカメラ」を使って時を繰り返し、何としてもしずかを救うことを決意する……!暁美ほむらかな?
ハッピーで溢れた星から来たタコピーの苦悩や地球人とのすれ違い描写が、もどかしく心苦しい……。
タコピーの視点を介して観ることで、いかにこの世界が汚れているのかを再認識させられる。
タコピー頑張れ!!!
【ネタバレ注意】この先は物語の後半や結末に触れています!未視聴の方はご注意ください!!
ネタバレを避けたい方は ⇒ 次のセクションにジャンプ
まりなの計画
タコピーは倫理観が欠如しており、地球人の常識がわからないためしずか救済作戦は苦戦を強いられる。
そんな折、まりなはしずかをどん底に陥れるため、狂気の計画を実行に移す……。
それは「チャッピーに自分の腕をわざと噛ませ保健所送りにさせる」という、通常のJSでは到底実行できない計画だった。
しかし、父がしずかの母と関係を持ち家庭を顧みなくなったことで家庭環境が荒れているまりなは覚悟が決まり過ぎており、タコピーが何度時を繰り返しても計画を実行する……。
当然、(頭が)ハッピー星人のタコピーにこの作戦の意図は理解できず、何度繰り返してもチャッピーとしずかを救うことはできない……。
何とかしてよ、タコえもん……。
ターニングポイント
ある時、まりなはしずかを林に呼び出しイジメ……というか暴行を加え始める。
その状況が怖すぎるあまり一歩も動けないタコピー。
しかし、しずかを救いたいという強い思いから、タコピーは勇気を振り絞る……!
無我夢中のタコピーは「ハッピーカメラ」でまりなを殴打!無事、しずかをピンチから救うことに成功!!やったぜ、大勝利!!
殴打されたまりなは即〇。しかも、殴打の衝撃により「ハッピーカメラ」が故障してしまい、時を繰り返すことができなくなってしまう……。
え?詰みセーブじゃん、これどうすんの??
この状況にどちゃくそ焦るタコピーだったが、しずかは満面の笑みでタコピーに感謝をする。
これには実行犯のタコピーもドン引き。マジかよっピ……(言ってない)。
SAN値がピンチ
だが、今まで何をやっても表情が曇っていたしずかの笑顔を観ることができたタコピーは、ドン引きしながらも状況受け入れることに……。
そんな中、しずかを心配して様子を見に来た東が、地面に横たわるまりなに気づく……。
ボロボロのしずかとタコ型宇宙人と同級生の ◯ 体を同時に見せられた東くんの
SAN値がピンチ過ぎる……!
タッセルって何?
しずか軍団らは、タコピーがまりなにすり替わることで事なきを得ようとする。
(頭が)ハッピー星人のタコピーですらこの作戦には疑問を抱くが、またもしずかの魅了によって丸め込まれる。
これもうチャームの能力者だろ……。
だから、タッセルってなんだよ!!!
しかし前述の通り、雲母坂家は家庭環境が荒れており、タコピー(まりなのすがた)はまりな母からDVを受けてしまう。
タコピーはまりな母の言葉によって、自分のしてしまった事の重大さに気づく。
久世しずかが命じる……!
ついに遺棄したまりなが発見されてしまい焦る東は、楽になりたいあまり自白を考える。だが、またもしずかのギアスによって魅了されてしまい、再び東京への旅程計画を立て始める。
東は、兄への強い劣等感と母の期待に応えられなかった過去から、しずかに母親の面影を重ねている。
さらに、遺棄したまりなが発見されたことによるプレッシャーも加わり、東の精神はすでに限界。
こういった背景により、しずかによる洗脳状態になっているものと思われる。
しずかは鬼なんか?と一瞬思うけど、序盤のしずかを見てるから何とも言えん……。でも、視聴者として最も共感しやすい東くんがこうもボロボロだと心苦しい……。
すげーよくできてるなあ。
鬼の子
しずかへの疑惑の目が強くなっていく中、しずかからの期待に応えたい東はさらに自分を追い込んでいく。
ついに母に見放されてしまった東は、本格的にしずかへ依存し始める。
しかし、鬼の子しずかは東のことなどハナから眼中になく、東に自首するよう懇願する。
えぇ……マジかよ。いくら何でも擁護できなくなってきたぞ……。
聖人・東潤也
しずかのキスによって完全に堕ちてしまった東は自首を決意する。まりな再評価路線かな?
しかしここで、この作品唯一の良心「東潤也」が登場。兄弟同士で熱い会話を交わしたことで、東くんはしずかの呪縛から解き放たれ心の内を打ち明けるのであった。
一方その頃しずかは、自首してくれなかった東を捨て置き、チャッピーに会うため東京へ出発する……。
えぇ……しずかちゃん……。
4話のしずかには視聴者もタコピーも終始ドン引き……(汗)
父の再婚
ついに夏休みが到来!東を捨て置いたしずかはチャッピーに会うため、タコピーと共に軽犯罪を犯しながら父のいる東京へと向かう……!!
ようやく父の家まで辿り着いたしずかだったが、なんと父は再婚して他に子どもがおり、(視聴者はわかっていたことだが)当然チャッピーもおらず。
娘(しずかの義妹)に「この子、誰?」と尋ねられた父は、ボロボロの姿をしたしずかのことをどう説明すればよいのか分からず、「はは……よくわからないな」と曖昧に答えてしまい、結果的にしずかを突き放す形に。
まあ、しずかの両親がどんな別れ方したかわからんから何とも言えんが、さすがに「よくわからない」はバッドコミュニケーション。
こんな生々しい描写、特効で泡吹いて倒れる人いるでしょ……。
胃の中を調べる道具
ショックを受けたしずかは「父の娘(しずかの義妹)がチャッピーを食べたかもしれない」と錯乱状態に陥り、
「人間をつかまえて胃の中を調べる道具、出して」
と狂った発言をし始める。
ええ、このセリフコラ画像じゃなかったのかよ……。
するとその時、タコピーは失っていた記憶を取り戻す……!!
ま、まりなちゃん……!!
2022年
お嬢様学園に通うJK「雲母坂まりな」は謎の宇宙人タコピーと出会う。
そんな折、久しぶりに東と出会い、なんやかんやで恋仲関係に発展。
母もまりなに彼氏ができたことで柔和になり、まりなもタコピーに感謝するようになる。おっ、トゥルーエンドかな??
すべてが好転してきたその時、「ヤツ」がこの街に帰ってくるのだった……!
魔性の女「久世しずか」がこの街に帰ってきた!!!
道端ですれ違っただけで東を魅了してしまうしずか。
これもうサキュバスかなんかだろ……。
東と別れることになったまりなは、母との関係が悪化してしまう。
母娘揃って久世家の女に寝取られるなんて……。両家とも血は争えないのか。
大ハッピー時計
まりな母はヒステリックを起こし娘に襲いかかる……!
が、咄嗟に反撃してしまったまりなは、禁断の親◯しをしてしまう……。
まりなは泣きながら「小4のあの時、久世しずかを◯しておくべきだった」と後悔する。
ええ……そういう後悔なんだ……。
その言葉を聞いたタコピーは「◯せばいいんだっピね!」と言い残しハッピー星へと出発!!
ハッピー星を辿り着いたタコピーは「久世しずかを◯す」ために大ハッピー時計を使って過去に戻る……。
【・3・】待っててね!まりなちゃん……!!
わかんないッピ
時は戻って2016年。ようやくしずかと再会を果たすタコピーであったが、しずかはタコピーの話に耳を貸さず、またも近くにあった石でタコピーを殴り始める……。
殴りながらも、初めて自分の感情を吐露するしずか。過去の不幸を耐え忍ぶしか選択肢がなかったしずかはこう問いかける。
「じゃあ、どうすればよかったの!?」
それにに対して、タコピーの返答は
「わ、わかんないッピ……」
そりゃそうだよな、誰もわかんねえよ……。
元通り
壊れた「ハッピーカメラ」を取り出したタコピーは、「ハッピー力」を使ってカメラを起動する……。
自らを犠牲にして時を戻そうとするタコピーに対して、しずかは「いなくならないで!」と懇願する。
それでも、しずかに笑顔になってほしい一心で、タコピーは時を戻す……!
ほらね、元通りだよ……。
すべて元通りになった世界であったが、三人の中には「タコピーが存在した記憶の断片」が存在した。
その記憶によって各々の行動に変化が生じていく……。
しずかとまりなは「おはなし」をする、東は兄や母と「おはなし」をする。
タコピーが登場時から常々言ってきた「おはなしをする」という行動が鍵となり、三人の運命は切り開かれていく……。
ナイタ。
総評
正直、視聴前は「可愛い見た目のゆるキャラアニメかな?」と油断していた人も多かったのではないか。
だが、その実態は視聴者のメンタルに刃を突き立ててくる衝撃作。
作画、演出、音楽、声優の演技、どれをとっても抜け目はなく非の打ち所がない上、後半以降もどんどんクオリティが向上しており、度肝を抜かれる。
間違いなく後世に語り継がれていく作品となったはずである。
特に声優陣の演技力は凄まじい(ので、誰か名シーンまとめMAD作ってくれ……)。
登場人物たちはそれぞれの「問題」を抱えているが、各々が裏事情も抱えており、視聴者目線では誰も責めることができない。
シナリオの完成度たけーッ!
……
……
ってか、「ドラえもん」から影響受けてこの漫画描いた作者はどういう情緒なんだ……。
確かに、人にオススメしづらい作風ではあるものの、アニメーションのクオリティもシナリオの重厚さも他アニメとは一線を画すので、残酷な描写に耐性がある方はぜひ視聴してみてほしい(っピ!)。
……
……
【・3・】< またねっピ!
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【出典】
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/anime/takopi_project/
公式X:https://x.com/takopi_pr
©タイザン5/集英社・「タコピーの原罪」製作委員会
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